2015年9月14日月曜日

香港のカフェで思ったこと

香港にいる。
チケットが安かったから香港にいる。

全然目的もないまま来たものだから、特にやることもなく、朝起きて、歩いて、周りを見て、帰って、夜寝ている。

2日目の昼、つまり今、奈良美智の作品が飾ってあるショッピングセンターを見つけたので入った。特に面白いこともなく、ちょっと疲れたな、と思った矢先にイタリアンカフェを見つけたので、入った。

誰もいなくて、とりあえずカフェマッキャートを頼んで、持ってきた新書を読んでいた。
カウンターの女性は広東語で何かを話す。
香港に来てからずっと、広東語を聴き続けて、こりゃ普通話よりいいなぁ、と思っている。
ひとつには、たぶん語尾をやたらに伸ばす感じが、どこか「いかにも想像の中の中華圏の言葉」という感じがして良いのだと思う。

すっかり聴き入っていると、あとから3人のサラリーマン風の日本人が入ってきた。
カウンターの女性に向かって話す英語の訛りで分かる。

私はちらと机に置いた日本語タイトルの新書を見やって、また外を見た。
彼らは「アメリカーノ、ノーミルク。」
と言い席に着く。

すると彼らは韓国語を話し始めた。


ああ、そうなんだ、と私は少し驚いた。
顔も態度も話し方も、どれを取っても明らかに日本人だと思っていたのだが。

今も彼らは後ろどなりのテーブルで、何か熱心に話して、時々冗談を言って笑っている。

唐突に、私は、アジアの言語はなんて力がみなぎっているのだろう、と感じた。

韓国の人と日本人がこんなにも近く感ぜられることも意外だったし、それでいて全く彼らの話す言葉の意味がわからないこともまた、とてつもなく面白いのだ。

そしてはたと、この人たちが言っていることを、理解してみたいな、と強く思った。

私は香港で、韓国語を喋りたくなったのだ。

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