2014年5月11日日曜日

とらなくていいんだよ

「とらなくていいんだよ」


「写真を撮られる」というのは異質な感覚で、大体において不快感を与える。

電車の中で、若い二人の親と、子供が乗ってくる。日曜日。
どこかにでかけるようである。
電車は比較的空いている。
お母さんと子供は空いた席に座り、立っていたお父さんも、しばらくして向かいの席に座る。
座ってからしばしiPhoneをいじった後、お父さんが、何も言わずに向かいに座った3、4歳くらいの息子の写真を撮る。
突然、子供は「とらなくていいんだよ」と、大声で言いながら悲しい顔をする。

お父さんは黙って微笑して写真を眺めている。

子供の写真をiPhoneで撮るということに、なにか、「愛」とはむしろ正反対のものを感じた。

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