2022年1月16日日曜日

いいないいな

このところ抽象的な絵を多く描いていた。最近、風景をまた描き始めている。

風景は、インプロで描く抽象的な絵と違って時間がかかる。

まず題材を用意するのに時間がかかる。iPhoneにある写真の中から、これは絵にしたいなぁ、というものを選ぶ。次によく構図を観察して、どういう法則で描いていくかを頭の中で少し吟味する。それから描き始める。描き始めれば、描き込むところもたくさんあるから、時間がかかる。

本当は、もっとシンプルな絵が描きたい。一つのルールに沿って描けていないのが歯痒い。

だが僕は、これまでの人生、絵なんかろくに描いたことのなかった人間である(漫画とか、描いていたけど、美術と日夜向き合っている人からしたら準備運動にも及ばないような量だろう)。

そんな人間が急に始めたことだから、甘い部分があるのは重々承知なんだけど、「まぁ、趣味だから」と逃げないで、とにかく「真剣にやってるんです」と笑顔で言うようでありたいね。もう、それだけだと思うよ。素人から出発する方法っていうのは。


(絵について #1)

2022年1月15日土曜日

(9)なりたいやりたい くあるとどーら - 15分で書けること

昨日すっかり何かを書いた気でいたのだが、書いていなかった。こういうこと、たまにあるんだな。

毎日その日ぐらし、というのか、特に決まったところに行くわけでもないし、その時々で、行きたいところに行き、やりたいことをやる生活をしている(その「やりたいこと」には当然、文字起こしだとか翻訳だとかの日銭稼ぎの仕事も含まれる)。

これからやることをいちいち考えているので、最低限やらなければいけないこと、というのをやり忘れることもある。まぁ、いいんだけど。

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今日は、持っている50ccのカブ(プレスカブという)のメーター内のインジケーターの電球を変えた。ホームセンターに行って、電球とドライバーを買う(手持ちのものだと少し大きすぎた)。カバーを開けて、中のランプを引き出して、その電球を引っこ抜いて取り替えるというだけの作業。でもこれが自分にはできる、ということがとても嬉しい。またこの3速ランプというものがついていることでより走りやすくなるのもとても嬉しい。

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こんなことは言う前にさっさと行動に移すのが吉なのだが、それでも言う。

思いついた面白そうなことを全部やりたいな。フランス語も中国語もイタリア語もドイツ語もスペイン語もフィンランド語も韓国語も英語ももっともっと上手くなって、ジャグリングを使った見せ物ももっと上手くなって、カブは、基本的なところは自分で好きにいじれるようになって、お金にはもっと余裕があって、面白い映画もたくさん見ることができて、何か日常で触れたことを言語化する修行をたくさんして上手くなって、倒立も上手くなって、絵ももっともっとたくさんの作品を描いて、本も自分で作るべきものは自分で作れるようになりたい。

2022年1月13日木曜日

(8)ギュッとしているのがいい くあるとどーら - 15分で書けること

東海道線で横浜から東京に向かう車内で、iPhoneで書いている。時間制限がいいのだ。


自分に何かしらの負荷をかけることに意識的でありたい、と思っている。

脳みそをギュッと絞り出すような体験を1日に一回すべきなんだ、そうだそうだ、とおもう。


人のことを考えてばかりいるのは、自分が課題に真剣に接していないからだ、と思う。


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昨日の夜、久しぶりにディアボロを3つ回した。とてもいい気分。自分でもこんなことができるとは思わなかった、という気分がある。今持っているディアボロは、ドイツの会社ヘンリースものだが、最近買った3つのものは、どうも昔と素材が違うので、回した感じがあまり好みではない。

と、ずっと思っていたけれど、昨日改めて回してみると、これはこれで別に不足はないかもしれない、ともおもう。


僕は以前のヘンリースサーカス何を好きでいたのだろうか? たぶん、回していて気持ちがいい、重くて摩擦が大きいけれども、その分ゆっくりと動くことができる、ということが僕にとっての心地よいディアボロのあり方なんだろう。

2022年1月11日火曜日

雪掘り日記 - 十日町の古民家へ③「しゃけ、そば、最後の光」

昨日は夜10時前には眠りについていたから、朝もすっきり寝覚めがいい。

本当のところ、明け方5時には目が覚めていた。だが居間に行っても寒いだけなので、布団にもぐっている。じっとしていると、カリカリ、という音、なうー、とか弱い鳴き声なんかが聞こえてくる。そのたびに戸を少し開けて、猫がいるかどうか確かめる。いるときには、よしよしと撫でてやる。枕元にあるマスクに興味を持っていたので、ヒョイと動かしてやると、すぐに、頭を低く、腰を高くの臨戦体制になった。

8時に朝食。今日はご飯としゃけ。昨日はおにぎりだったから、今日は十日町の米をしっかり味わってもらいたくて、としのぶさん。こちらに来て、水とお米のおいしさに感動する。それでも十日町は新潟の中では水質はベストではない、とのこと。だけど横浜のアパート暮らしから比べたら比較にならないぐらい美味しい。

ご飯を食べてひと段落したら、上着と防水ズボン、長靴を着込んで作業へ。最終日の今日は、家の裏側の除雪も行う。かんじき(忍者が水上で履く「あの」靴みたいなもの)をはいて、新雪の上を歩いて行って、裏へまわる。雪はこんもりと積もっている。家の周り全体を高さ数m、すっかり覆っている。その上を歩くのだ。

本当は家の裏には、暖かい季節にはピザが焼けるような薪窯がある。それもすっかり覆い尽くされていた。その周りの雪をある程度どける。

裏がひと段落つくと、今度はまた表にもどってきて、道を少し広げたり、灯油タンクの周りをすっきりさせる。4人で行うとあっという間に雪はどけられる。全部で2時間半ほど作業をして、おしまい。最後に記念撮影。

お昼は蕎麦を食べにいく。すぐに行くと混んでいるから、というので少し家で猫と戯れてから。もう今日でお別れなので、いつもより入念になでなでしておく。

車で「清兵衛」という蕎麦屋まで行く。民家をそのまま蕎麦屋にしたようなところ。へぎそば、というものが出てくる。「へぎ」というのは、どじょうすくいのあのカゴのような器のことで、それで出てくるのがへぎそば、ということである。しんごさんが「蕎麦湯が美味しいんです」というので、食後に出てきた蕎麦湯を試したが、確かに、美味しい。どろっとしていて、つけ麺の後のスープのような、濃厚な味わい。

そこから、ジェームズ・タレルというアメリカのアーティストがデザインした「光の館」を見に行く。

車で少し山を登ったところにある。着いた時には2時35分。どうも受付に人がいない。しばらくすると女性が出てきて、説明してくれた。僕らはてっきり3時半が最終入館だと思っていたら、どうも締め切りは2時半であったらしい。だが、どこから来たんですか、というので、神奈川です、と言うと(僕以外にもう1人手伝いに来ていた女性も、川崎から来た人だった)少し考えて、「ちょっとでよければ」と言い、中を見せてもらえることになった。

「光の館」は、泊まって体験できるアート、という触れ込みである。和室の屋根が動いて、部屋の中まで陽が差してくる。ちょうど僕らが言った時には、十日町はすっかり晴れていて、四角い穴の空いた屋根から注ぐ陽光が、角ばった陰影を作り出す。お風呂やキッチン、外を巡る回廊も見せてもらったが、とても感じが良かった。僕はこういう上質な情報だけで満たされたシンプルな空間が好きなのだ、ということを認めよう、と思った。気候と、一緒にいる人と、それからガイドさんの親切心も手伝ってのことだとは思うのだが、とても幸せな気分だった。

最後に、十日町駅の近くにある、キナーレという施設に行く。MonETという名の現代美術館もこの施設の中にある。だが時間もないのでパス。

今回は、同じくキナーレに入っている「明石の湯」という温泉へ。結局、毎日温泉に入った。

1時間弱、そこでゆっくりしてから、最後は車で十日町の駅まで送ってもらい、そこから横浜への帰路についた。上越新幹線の中では、くたびれてぐっすり眠った。

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この日記を仕上げている今、僕は横浜の家で、暖房の効いた室内でMacのキーを打っている。

iPhoneで雪景色の写真を見ながら、少しだけ、寒気を頭の隅っこで感じる。

これはまだ昨日のことだ。

まだ手では、雪の感触が思い出せる。

7匹いた猫たちの毛並みの感触も思い出せる。


2022年1月10日月曜日

雪掘り日記 - 十日町の古民家へ② 「トースト、雨、峡谷」

 夜、寝る時は天井がとても高い部屋で寝る。小さめのファンヒーターをいれるのだが、なかなか温まらない。それでも、つけないよりはと思って、スイッチを入れて、足元を温めた。夜中、廊下を猫がなぁなぁ言いながら歩いていた。入りたいのかな、と思って戸を開けるのだが、フンフンにおいを嗅いでまたどこかに行ってしまう。


朝は8時に朝ご飯。目玉焼きとハム、トーストにサラダをいただく。コーヒーは昨日帰りがけに買ってきたミールクラフトというお店のコーヒー。しんごさんがハンドミルで挽いてくれたが、挽きが細かかったので、すごく濃いコーヒーが入った。


朝の9時には雪掘りの作業を開始。今日は、昨日掘ったところをさらに広げていく。まずは優先して、車道から家に至る道を広げていく。連休が明けたらまた大雪が降るというので、それまでできる限り道を広げておく。だんだん道具の使い方がわかってくる。大きく崩して、小さく放り投げていく。飲み物は、ペットボトルを雪の中に突っ込んでおいて、そこから飲む。


今日は猫は外に出さない。「邪魔だから」としんごさん。昨日は少しだけ外に出してやって、ちょいちょいと歩いていた。2時間弱やったところで、目処がついたのでお昼休憩。室内に入ると同時に雨が降ってきた。雨が降ると、寒いし、雪も重くなるので作業はしづらくなる。ひとまずお餅と豚汁を食べながらどうなるか様子を見たが、結局止まなかったので、十日町観光に出かけることにした。


清津峡、旧東川小学校跡、松之山温泉(「ナステビュウ」という名の施設)を回る。

清津峡は、峡谷に掘られたトンネルを進んでいくもの。旧東川小には、クリスチャン・ボルタンスキーの作品がある。松之山温泉、露天風呂からの眺めが良かった。5時ごろには、和食屋さんの「山愛」で早めの夕飯を食べる。店内では演歌が流れていた。なんだか年の瀬みたいな気分になってくる。カツ丼が一押しだったのでカツ丼を食べる。


まだ時間は早かったが、家に帰ると自由時間に。おやつを食べつつ、猫と戯れてから、少し作業をして就寝。まだ21時半だった。

明け方に、なー、と鳴く猫が何匹かいた。ちょこっと戸を開けてやると、少しだけにおいを嗅いで、ちょこっとだけ部屋に入るが、またすぐどこかに行ってしまった。

昨日とくらべると夜もそこまで寒くなくて、ヒーターが途中で切れたけれどそのままにしておいた。

2022年1月9日日曜日

雪掘り日記 - 十日町の古民家へ① 「超特急、ゴザ、雪」

新幹線を越後湯沢駅で降りる。大半の乗客はスノースポーツをしに来ている人たちだ。みんな、大きな棒状のものを抱えて雪で真っ白になった山の方に向かっていく。そういえば7年ぐらい前に、僕は越後湯沢にスノーボードをしに来たことがあった。その時は帰りに新幹線を使ったのだった。だから上越新幹線は初めてではない。

はぁー、と息を白くしてみる。

越後湯沢駅を出ないで、構内で乗り換え、ほくほく線のスノーラビットという電車に乗る。一両電車だ。思わず笑った。会話の内容を聴くと、鉄ちゃんがたくさん乗っているようで、みんなしきりに直江津、直江津と言っている。直江津がどうしたというのだろう。

乗客は、それほど厚着をしているわけではない。むしろ僕が一番の厚着だ。もこもことした小豆色のジャケットを着ている。

スノーラビットは時折雪をゴゴオー、と押しのけるような音を立てて一直線に走る。超特急だそうである。車内の英語字幕を見たら"Cho" rapid train と書いてあった。

30分ほど乗ったら、最終目的地である十日町駅に着いた。雪がこんもり積もっている。駅には、古民家の主である夫婦の旦那さん、しんごさんが迎えに来てくれていた。そこから車に乗り、約20分。山に少し入っていった道路沿いに古民家があった。茶色がベースの二階建て。玄関にはひさしが張り出していて、二階部分にはもうひとつ玄関大の窓がある。屋根は黒い。真っ白な雪とのコントラストがある。

玄関に辿り着くまでには細い道を進んでいく。雪を掻き分けて作った道だ。これから僕たちはこの道を広くする。

家に入ると、奥さんのしのぶさんがこたつで迎えてくれた。7匹の猫たちも思い思いの場所から出迎えてくれる。お茶をしながら自己紹介を済ませる。ぼちぼち時間が経ったところで、はじめましょう、と外に出る。

長岡の方から、たかきさんという方も手伝いに来てくれた。一緒にスコップやら、大きなそりを半分にしたような「スノーダンプ」やらで雪をとにかくザクザクとかいていく。

思い切り雪に薄い金属を突き刺して、てこの原理で大きな塊を崩すのは快感だ。どんな装備で行ったらいいのかわからず、とりあえず上下をヒートテック、さらにTシャツ、シャツ、セーター、の上に、ダウン、の上に防水ジャケット、という出立ちだったが、ものの10分もやっているともう内側に汗をかいてくる。

途中で、たかきさんが平に慣らしてくれた雪上にゴザを敷き、お茶会をした。焚き火をする小さな装置で、薪の火を囲む。コーヒーや紅茶を入れ、僕が横浜から持っていったお菓子のクルミッ子や、キットカットなどのお菓子を食べた。お茶を飲む間に陽が傾き、太陽が山の陰に隠れてしまった。

初日だし、慣らし運転で行きましょう、と2時間ほどで作業を終えた。

なんで俺はこんなところにいるんだろう、と思う。いつもの感じが、戻ってきた、とも思う。人間は情報を得る、ということによって、いきなり知らない土地に行って、知らなかった人たちの家の周りの雪をどけたりするものなのだ。

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雪かきのあとは、車で30分ほど行ったところの温泉に行き、帰ってきたら豆乳鍋を食べながらお酒を飲み、一日を終えた。


あまりこの土地の地理や、名産や、とにかく何も調べないで、ただ指定された場所に指定した時間に行く、というだけだった。それから、猫7匹と人間4人の短い生活が始まった。

2022年1月8日土曜日

雪掘り日記 - 十日町の古民家へ⓪ ネコ、東京駅、教官

文章を書くのもなるべく朝がいい。

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上越新幹線の中にいる。東京駅は予想よりも遥かに混雑していた。周りを見るとスノーボードを持った若い男女がたくさんいる。そうか。新幹線乗り場に来るまで、今日が連休の初日であるということを忘れていた。スキー板を持っている人もわずかにいる。新幹線に乗っている今も、目をあげると、大きなケースがぴょこん、ぴょこんと5本座席から顔を覗かせているのが見える。バッグに完全にしまうタイプのものと、エッジの部分にだけカバーをかけるタイプがある。スノーボードしたいなぁ。

そうか、今思えば、連休だからこそ、新潟で雪を掘るお手伝いの募集があったのだ。

新潟県の十日町市に行って、「雪掘り」の手伝いをしてくる。先日ネット上でお知らせを見たから応募した。猫が7匹暮らしている古民家ゲストハウスで、一緒に雪掘りをしませんか、ということであった。すぐに応募した。

完全なるボランティア、というわけではなくて、きちんと時給1000円の給料がでて、食事、宿泊もついてくる。夜は疲れを癒すために、みんなで温泉に行きましょう、ということである。
もちろん、往復の新幹線代を考えたら金銭的には足が出る。でも、猫に会えるので、足は引っ込んで、逆に頭から突き出すぐらいである。

思い出せる限りでは、僕は上越新幹線に乗ったことがない。
東海道新幹線には、しょっちゅう乗っている。今更新横浜から京都まで新幹線に乗ったところで、何も思わない。ただの速い電車、という感じである。でも今日乗っている上越新幹線は、見える景色も違う、乗客の感じも違う。そもそも乗ったのが東京駅からなので、それもいつもと違う。さらに向かっている場所も滅多に行かない新潟であるから、すべてが面白い。

最後に新潟に行ったのは、2015年に自動車免許合宿で燕に滞在した時だ。僕は当時の自動車学校の教官の態度が心底嫌だった。嫌な人に当たってしまったのだ。まだアクセルもシフトもブレーキもミラーも何も触ったことがない人が、初めてのエンジン始動でエンストしたぐらいで、バカにしたような顔でため息をつく人、なんてこの世に存在すると思っていなかったのだ。それに加えて、公道で運転をする、というプレッシャーが重なり、しまいには動悸がして寝られないような状態になってしまった。その時は友人に電話をかけて慰めてもらった。

……まぁそんなわけで、今日はワクワクしているだけ(笑)。
雪掘りは重労働だろうけど、免許合宿よりは1000倍面白いと思う。