2021年11月20日土曜日

踏み切り板をとべ - 九州の旅(8)



 2021年11月17日(水)

朝、再びゆっくりめ。今日は熊本に出発する。

熊本に行く前に、もう一度みさきと会ってお昼食べる。一回来たことのある港に面したコーヒー屋。だが、ランチで出てきたのはチーズ回鍋肉。おいしい。ご飯にはパセリ。食べたらみさきは職場の美術館に戻る。少し滞在が長かったし、共通点の多いジャグラーとの別れはやはり寂しい。

そのままテーブルでコーヒーの残りを飲みつつメールを一本だけ打ってから、さて、と、時間もたっぷりあるわけではないので、美術館前に停めてあるバイクに乗って、熊本を目指した。

経路はいくつかあった。雲仙を見ながら海側を通って島原に抜け、フェリーで熊本港に行くルートにした。

陽が当たっているので今日はそれほど寒くない、が、日陰に入るとやはり途端に寒い。一度諫早方面に北上する。数日前に来た道を少し戻るような形だ。そして雲仙の連峰を右手に見ながら東進する。途中、事故が起きていた。片道一車線しかないので渋滞しているが、傍をスイスイ抜けて行く。

この道は、山並みが実に綺麗だった。

フェリー乗り場に着いて、そのまま1時間ほど待つつもりだった。だが、自分が調べた路線とは違う路線がもう一つあるようで、そちらがもうあと数分で出発するところだった。全然乗る気はなかったのだが、係員のおじさんが「まだ乗れるかな」と確認してくれて、結局乗れることになった。そこで、急いで船に入って行き、僕がカブを停めるとともにタラップが閉まり、船は出航した。立ち入り禁止の柵をくぐり抜けて客室に上がる。料金は売店で支払った。

船はゆっくりと進んでいく。

行きに北九州に着いたときに乗った船とは随分違う速度である。横須賀から新門司港行きの船はとても速い船だったので、甲板に出ることもできなかった。今回の船は、甲板に出て風を感じることができた。進行方向と逆側の、エンジンの泡が出る方に立って、さっきまで走ってきた雲仙のあたりを眺めた。

ちょうど夕日が沈む頃で、裾野の広い雲仙と、その上に広がる空を見た。船が何艘か見えて、カモメが飛び交い、とても美しかった。

船は1時間ほどで熊本港に着いた。もう、だいぶ暗くなってきている。カブに乗って走り出す。船からバイクで降りるのも慣れてきた。

今回の旅でしっかり雨に降られたのは初日だけで、それからはかなりいい天候が続いている、このまま続いてくれるといい。

熊本港から市内までは、30分弱。熊本は来ることをとても楽しみにしていた。早速、見ている景色にどこか親近感を覚える。遠くに山ばかりが見える。畑が広い。

駅に着いて、まず宿にチェックインする。駅前のビルに入った、きれいなホステルである。ほとんどホテルのような見た目である。

しばらくバイクを停める場所を探す。唯一見つかったのが1日500円のところで、ここに停めるしかないか、と諦めかけたが、反対側に目をやると、スルッと入れそうな駐輪場を見つけた。

ひとまず入っていって、バイクを停めたが、料金など書いていない。これはどういうことだろうと思ったが、誰にも見つからないうちにささっと駐輪場を抜け出した。あとで調べたら無料だということだった。うーん、いいなあ、熊本。


街に出る。もう随分遅い時間だったが、足で走って新市街の方まで出てみた。

アーケードが連なっていて、そちらの方はとても賑やかだった。

駅前のひっそりとした空気とはだいぶ違う。


最初に目についたラーメンを食べた。

洋食屋風の服に身を包んだおじいさんが、「よいしょよいしょ」といいながら作るラーメンだった。

宿に戻ってくる。

すると、出発する時にいたバーカウンターにいた二人が、まだバイクの話で盛り上がっていた。

そこで、一本だけビールを頼んで、会話に混ざった。

結局2時ぐらいまで話し込んでいた。


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