2021年10月21日木曜日

ながいつぶやき(201) 極夜とそうぞう

義務を朝に終わらせてしまいたいので、今、11時に文章を書いている。
昨日午後9時半ごろに寝て、午前2時に起きた。もう少し寝ていようかとも思ったが、せっかく起きたので、やれるところまでやることにする。コーヒーを淹れて、ドーナツを買ってくる。ヨーグルトも買ってくる。食べながら、本を読む。昨日買ってきた文庫版の『極夜行』(角幡唯介 著/文春文庫)である。非常に面白い。これまで読んだ数冊の角幡唯介氏の本の中でダントツに面白い。なるほど、本人も「最高傑作です」というわけだ。執筆のスタイルが、冒険の水準と合致していて、肩が凝らないような文体で、壮絶な体験が綴られている。余白がしっかりある感じがする。
あんまり冷えるので、お風呂も入れて、30分ぐらい入浴しながら本を読んだ。
上がって、今度は5時から6 時ごろまで、絵を描く。
本当の意味で一人で絵を描いていると、他にいろんなことが頭に自然と浮かぶ。
このことが、まさに『極夜行』で角幡唯介さんが体験していることと重なる。彼は、来る日も来る日も星を頼りに、真っ暗闇の中を、雪上を進行する。他に考えることもないので、自然に星たちを擬人化する物語が頭に浮かんでくる。古代ギリシア人が毎晩星を眺めて、そこに神話を紡いだことを、感覚として理解した気がした、という。
一日中一切太陽が上がらない極夜で歩くほどの壮絶な体験と比べたら、たかが早起きして机に向かっているだけだけれども、自分で何か生み出すより仕方がない、という状況に自分を置けることは幸せだなと思う。
創造は退屈と表裏一体だと思う。一日の中で、退屈だ、何か作ろう、と自然と思える時間を数時間でいいから持つことは、至上の喜びだ。

その後、6時から9時ごろまで二度寝する。9時に起きた時点で、もうほとんど今日やりたいことが終わっている。本当に心地がいい。やっぱり早起き以外に人生を充実させる方法ってない、と本気で思う。
これから、上野の方まで出かけてくる。


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