2021年3月25日木曜日

ながいつぶやき(81)「ジャグリングの展示をつくる 3」 

展示と本の準備に集中するため、まずは日銭稼ぎの方の仕事を終わらせる。

朝からせっせと文字起こしをしたり、翻訳をしたりしている。こういう時に、自分の「仕事」について無意識に考える。

別に今持っている、お金になる「仕事」、全然嫌じゃない。

「今やっている仕事が嫌で嫌でたまらない」という人にもときどきお会いするが、僕自身に関して、そういうことは一切ない。本当に嫌になったらやめて別のことをすればいいかな、と思う。多少の不満とか気になることがある場合はなくはないが、それはなんなら、洗濯とか風呂掃除と一緒で、面倒だと思うが、やったらやったで達成感があるので取り組める。

何より自営業をやっていると、人間関係のストレスみたいなものが皆無で、まぁそれが一番大きいかな。自分の生活を保つために、お金があると便利だからそれをなるべく納得のいく手段で獲得する、ということに意識的でいられる上に、「面倒くささ」と「楽しさ」のバランスの調整が割と簡単にできる。あとは、親族にも周りの人にも、自分のことについてとやかく言う人が誰もいない、ということもあり、まぁ、その辺り、人に恵まれているんだろうね。

仕事そのものに関しても、やはりその向こうにいる「人」が好きな場合は、ああ、まぁ、なんだかんだでこの仕事はいいもんだ、と思える。

※※※

ジャグリングは自分にとって何か。

時折「ジャグリングの方忙しいかな?」と聞かれる。

「いえ、全然!」というのも何かがっかりさせるような気がして、たいてい、「まぁ、ぼちぼち」とか言う。いやしかしジャグリングのなにが忙しいんだ俺は、と思う。

日銭稼ぎはただの「ライスワーク」で、ジャグリングが自分の生活の中心である、という風に受け取られている。

でも僕は「ジャグリングの活動」ってあんまり最近はしていない。

雑誌の PONTE を活発に出していた頃は、まさに「ジャグリングで忙しい」みたいなこともあったが、うーむ、別に僕は、今、「ジャグリングで忙しい」という状況って、ない。

ただ、なんとなく、例えば演劇をやる人、お笑い芸人、ダンサー、ミュージシャン、なんでもいいけど、「芸事」に関わる人って、なんとなく、その芸が一番自分のやりたいことであって、それ以外のことは目標に向かうための補助、みたいなイメージがある。

朝から汗水垂らしてバイトをして、帰ったら夜遅くまで稽古をして、睡眠不足でまたバイトに向かう、みたいな姿が、なんとなく、モデルケースとしてパッと最初に浮かぶ感じがする。

たとえ、「そうじゃないかもしれない」と思うにしても、なんとなく、そういう在り方がステレオタイプとしてとりあえず暫定的に思い浮かぶかな、という感じがする。

僕とジャグリングに関しても、ともすると他人から見て、最初に浮かぶのはそういう情景なんだろうか。日々、人さまにジャグリングの見せるための鍛錬をしていて、それ以外は、「俺はこんなもののために生きているんじゃないんだ本当は」と歯を食いしばっている、みたいな(笑)

いや、まぁ流石に、これはステレオタイプがすぎると思うけど、でもやっぱり、全く想像がつかない世界のことを考えるとき、どうしても、ドラマとか小説とか、そういうもので描かれる「一般とは違った趣味や芸の道に進む人の姿」に引っ張られてしまうところはある。

僕が今回の展示で見せたいことは、「ジャグリングに関わる人の舞台裏」にまつわる想像力を広げてもらうためのものなのかもしれない、という気もしている。

ビーンバッグ製作記 16日目 何をつくりたいのか、あらためて考えてみる

今回関わってもらう PM Juggling のだいごさんも、色々と考えてくれている。

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